健康な人がいきなり病気になる事は少なく、不健康が長く続くと病気になりやすくなります。この不健康な状態を東洋医学では「未病」と言い、心身の不健康を健康に戻す、病気の悪化を抑える医学が「未病医学」です。
先ず、病気・老化と毛細血管について説明します。
下記の如く、動脈硬化や精神的緊張により毛細血管の血流が低下する事により細胞の機能が低下すると病気の発症や老化が進みます。
血管の収縮による毛細血管の血流低下
1:動脈硬化:生活習慣病などによる動脈硬化による毛細血管の血流低下
2:血管の収縮:ストレス・プレッシャーなどの精神的緊張による血管の収縮による(自律神経の交感神経優位)毛細血管の血流低下
毛細血管の血流低下による細胞への酸素・栄養等の供給低下
細胞の機能低下により引き起こされる病気、老化の促進
毛細血管とは心臓から血液を運ぶ動脈と心臓へ血液を戻す静脈の間をつなぐ
約10ミクロン(髪の毛の10分の1の太さ)の細い血管で、全身に約1500億本あります。
毛細血管の薄い壁を通して、血液中から細胞に栄養素や酸素を供給し、
老廃物や二酸化炭素は血管に戻り腎臓・肝臓・肺から体外に排出されます。
健康な体とは細胞ひとつひとつが元気良く生きている状態です。
その細胞が生きていくためには、毛細血管からの酸素や栄養の補給が必要です。
2008年に発表されたベルギーのリエージュ大学病院の研究によれば、65歳以上の人の毛細血管の数は、30歳以下の人よりも、なんと40%も減少している事が明らかになりました。
私たちは太い血管のほうが重要な役割を果たしていると思いがちですが、全身の60兆個の細胞に酸素や栄養素を供給しているのが毛細血管です。長さの割合からみると太い血管は全血管の1%にも満たず、なんと99%は毛細血管で占められているのです。
私達は健康な毛細血管があるからこそ、酸素や栄養、さまざまなホルモンなど重要な物質を体のすみずみの細胞まで送り届ける事が可能なのです。
しかし毛細血管は非常にもろく弱いため、血流が滞ったりつまったりすればすぐに壊死してしまいます。ストレスなどの影響で血管が収縮したり体内に活性酸素が増えると、毛細血管に炎症が起こり消滅する事もあります。こうして毛細血管が減少すれば、血液循環が著しく滞り、全身の細胞が衰えて老化が急速に進んだり病気になりやすくなります。
20歳台の毛細血管
60歳台の毛細血管
内臓や血管の収縮・拡張、ホルモン分泌など自分の意志では調整できない自動的に働く神経をいいます。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という相反する働きの神経があります。
「交感神経」は車に例えるならアクセルのような働きで、緊張・活動する神経と言われ、昼間は交感神経が高くなっています。「副交感神経」はブレーキのような働きで、休息する神経と言われ、睡眠中は副交感神経が高くなっています。
両者は外的ストレス(気候の変化・精神的ストレスなど)に対し体内の状態を一定に保とうとする働き(ホメオスターシス)を担っています。 外部からの過剰なストレスやプレッシャーが続くと自律神経のバランスが崩れ、様々な辛い症状がでます。但し、この状態では血液検査などでは異常はほとんどありません。
生活習慣の乱れ | 夜更かし、夜型人間、過度な飲酒など |
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外部からのストレス | 仕事や人間関係の悩みや緊張、気候の変化、病気や怪我、環境の変化など |
真面目で責任感が強い人や、几帳面で心配性の人、「NO!」と言えず周りを気にしすぎる人、依存心の強い人などです。
自律神経のバランスを調整し、辛い症状を改善するために当院では独自の石原式メデイカル・カッピングを行ってます。
以上より、病気の発症予防・老化の予防のためには、毛細血管の血流を良くする事、回復させる事が重要です。
これらの療法により、自律神経が正常化され毛細血管の血流が良くなり、更に深部体温が上がるために細胞が活性化して病気の発病予防になると考えています。単なる延命だけではなく、出来る限り健康で元気に社会生活を送っていただくための医学が「未病医学」です。